雑誌の歴史

Photo via VisualHunt.com

終戦から60年代までは「オピニオン誌」の時代

識者は月刊の総合誌に自らの意見を発表し、そこでの主張・論争を通じて党派性が形成される。進歩派・保守派を問わず、論者はすべての課題を一貫するグランド・セオリーに基づき、実態の検証を二の次にして、高踏的に規範や理念を語る。『文藝春秋』や『世界』、『中央公論』などが代表である。この時期、論壇を引っぱったのは文学者であるため、文芸誌もこれに含まれる。LANの構築方式の比喩を用いれば、ホスト端末一極集中方式で、雑誌がメインフレーム、読者は端末である。執筆者はしばしば何も考えず、自身の属する党派のイデオロギーを伝えるだけのダムターミナルと化す。このタイプの雑誌の目的は知の占有である。

出典:デジタル技術時代の雑誌 佐藤清文 - 批評のロドリゲス出版 | ブクログのパブー

 

 

価値観が多様化し始めた70年代から、セグメント化が進む

毎回テーマを決めてそのトレンドとスペックを消費者としての読者に紹介・提案する雑誌が登場

『現代思想』や『エピステーメ』、『ユリイカ』などがそうしたタイプであり、「モード誌」と呼ぶことができよう。LANの比喩を使えば、クライアント/サーバー方式で、サーバーとしての雑誌がテーマに関してファイル・サーバーを検索処理し、クライアントである読者に渡す。その目的は知の消費である。

80年代になり読者を消費者とみなす動きが出てくる。

60年代のカリスマ吉本隆明が『an・an』1984年9月21日号にコムデギャルソンを着て登場したのは象徴的である。同志は、1970年3月、『an・an ELLE JAPON』として創刊され、日本で初めて読者を消費者と捉えている。従来、ファッション誌には型紙が巻末についていたが、『an・an』は大胆にもそれを外す。洋服は自分でつくるものではない。買うものである。雑誌は広告媒体であって、それを前面に押し出しても、消費社会が到来しつつあり、読者にも抵抗感が減っている。これにより広告収入も増え、経営が楽になる。その後、他誌も追従し、80年代は雑誌の黄金時代となる。

出典:デジタル技術時代の雑誌 佐藤清文 - 批評のロドリゲス出版 | ブクログのパブー

 

 

東西冷戦の終結とバブル経済の崩壊後の90年代、モード誌に変化が現われる

扱うテーマがドゥルーズ=ガタリや脱構築といった高踏的なものから介護や地域コミュニティなど身近なものへと転換する。もっとも、オピニオン誌は滑稽なまでに強引に党派性を見立てていたが、戦後を支えてきた政治的・経済的前提が崩れて、課題の見直しが迫られ、モード誌はそれに対応している。

00年代になって低迷し、休刊が相次ぐ。

長期に亘る不況は消費者の購買意欲を削ぐ。これは広告媒体化を推し進めた雑誌にとって痛い状況である。おまけに、携帯電話が普及し、雑誌の購入費よりもその通話料の支払いを優先する。さらに、インターネットが定着、グルメやシッピング、イベント、リクルートなどの情報もそこから無料で手に入れられるようになる。これでは、人々は情報に金を払うのを惜しむのも人情というところだ。不況に強いと言われてきた出版業だったが、有名オピニオン誌の休刊がマスメディアを騒がせる。

出典:デジタル技術時代の雑誌 佐藤清文 - 批評のロドリゲス出版 | ブクログのパブー

女性誌の種類

Photo via VisualHunt.com

赤文字系

代表的な雑誌は、「JJ」、「CanCam」、「ViVi」、「Ray」の4誌。男子目線を意識していわゆる“モテ”を狙う雑誌を指す。OLや女子大生が着るコンサバ系、大人を意識したファッションが多いイメージ。表紙のタイトル文字が赤色であることが由来であるようだ。

 

青文字系

代表的な雑誌は、「Zipper」、「mini」、「Sweet」、「CUTiE」、「SEDA」など。男性ウケはしないが、個性的なファッションを多く扱う雑誌を指す。原宿系やカジュアル系など、男子ウケよりもむしろ女子ウケを狙っているイメージ。赤文字系の対義語として造られた言葉である。


紫文字系

雑誌「ヴィオレッタ(Violetta)」が紫文字系の代表格。赤でも青でもなく、ほどよく甘くてほどよく辛いテイストのよう。自然体で飾らず自分らしさを大切にするといったイメージ。赤文字系と青文字系をミックスした新たなジャンルのファッション誌である。

 

黒文字系

2011年に創刊されたギャル向けファッション雑誌「GLiA」が提唱し生まれた言葉で、黒色を基調とした大人ギャル系ファッションを指す。「GLiA」に続いて「Gina」や「it LOVE」といった同じ系統のファッション誌が次々と発行された。

MEN'S 、ママ、生活雑誌

Photo via VisualHunt.com

男性誌

 

Safari

大人の男性をターゲットにした、メンズセレブがお手本のファッション雑誌。

 

OCEANS
男として父として格好よくあるための男性誌。

 

MEN'S CLUB
コンセプトは「東京モダンスタイル」国内でもっとも歴史のある男性ファッション誌。

 

MEN'S NON-NO
お洒落な若者/10代後半~20代の男性をターゲットにしたファッション雑誌。

 

MEN'S JOKER
20代の社会人男性をターゲットにしたファッション雑誌。

 

Samurai
15-22歳をターゲットにしたストリートファッションがメインの雑誌。

 

Smart
10代~20代の男性をターゲットにした、ブランドコラボ付録つきのファッション誌。

 

LEON
30~50代の男性をターゲットにした大人のクオリティライフ実用誌。

 

RUDO
20代~30代の男性をターゲットにしたファッション雑誌。

 

FINE BOYS
スタンダードな男子大学生中心のファッション誌。

 

STREET JACK
10代~20代の男性をターゲットにしたファッション誌。

 

Gainer
アラサー男性/30歳前後のビジネスマンがメインターゲットの雑誌。

 

 

ママ、生活雑誌

 

tocotoco(トコトコ)
赤ちゃんと素敵な毎日を過ごしたいと思うプレママ&ママにおススメの雑誌。


たまごクラブ
ほとんどの産婦人科に置かれている有名なマタニティ雑誌。

 

赤すぐ
ママ目線の使えるベビーグッズが沢山のお買い物雑誌です。